・商事留置権
商事留置権は、次の要件がある場合に成立します(商法521条)。
1.当事者双方が商人であること。
商人資格は、被担保債権の成立時に有していればたります。
2.当事者双方のために商行為たる行為によって生じた債権であること。
3.債権が弁済期にあること。
4.留置の目的物は、債務者所有の「物または有価証券」であること(注)。
5.留置の目的物は、債務者との商行為によって債権者の占有となったものであること。
民法の場合と異なり、債権と物との牽連性は必要ありません(債務整理の際、重要)。
留置権の目的物に不動産が含まれるかについては、争いがあります( 債務整理の際、注意)。
実際には、建物建築請負人の建物敷地に対する商事留置権が認められるかどうかが争われ、裁判所の判断は分かれており最高裁判所の判断がまたれています
( 債務整理の際、注意)。
なお、この点、2003年改正により、一括競売できる場合が拡張されたことから(民法389条)、議論の実益は少なくなったと考えられています。
・留置権の実行方法
民事留置権も商事留置権も優先弁債を受けることはできませんが、目的物を留置しつづける債権者の負担軽減のために、換価権が認められ、競売の申立て
ができます(債務整理の際、重要)。
